1962(昭和37年)/1/9公開 92分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12546
配給:東映 製作:東映
第二次世界大戦も終結間近、日本軍は必死の反撃の手段として人間魚雷“回天”と神風特攻隊を編成した。それに搭乗する若い士官たちの海空での活躍振りを、男の友情を織りまぜて描いた迫真の海空戦大作。
太平洋戦争劈頭、勝利の進軍を続けていた日本軍も物量を誇る敵戦力の充実と共に戦線いたるところで敗退、遂には日本本土進攻を目指す敵に備えて特攻兵器使用の止むなきにいたった。南太平洋マリアナ沖に潜行する潜水艦にも人間魚雷“回天”が積み込まれており、陶山はその搭乗員である。九州三楯の海軍航空基地には特攻隊が編成されていた。折りしも司令官渥美大佐をはじめ結城少尉らが飛び立ったばかりの特攻隊の戦果に耳を傾けていた。そこへ帰還してきた一機。目的地に辿り着けなかった予備士官あがりの三好少尉機だ。「敵前逃亡だ」と罵る上官と同僚たち。そして以前から特攻精神に欠けるとして三好をなじっていた結城ではあったが、三好機のエンジンが使用不能なほどに破損しているのをみて愕然とする。一方、マリアナ沖で九死に一生を得た陶山は、故郷を訪れ、来る特攻には当然死ぬべき我が身を家族に委ねた。恋人の洋子には逢わずに基地に戻ろうとするが、予備士官同期生である三好に諭されて洋子に逢い寸時の幸せに浸った。敵機襲来!不意をつかれて逃げまどう子供たちをかばって三好は怪我をした。喧嘩相手が負傷したとあって結城は見舞いに来た。そこには三好に好意を持つ芸者・寿美栄が訪れていた。敵船団攻撃も間近いある日、基地を敵機が襲う。次々と降下して銃撃、爆撃を行う敵機を見て、特攻隊隊長大国少佐は、三好、結城を促すと敵機めがけて飛び立った…。