1963(昭和38年)/8/31公開 100分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13234
配給:東映 製作:東映
昭和16年12月8日、帝国海軍の真珠湾攻撃を皮切りに太平洋戦争の火蓋が切って落とされた。日本の若者たちの士気が高まりつつある太平洋戦争初期を背景に、江田島の海軍兵学校を卒業し、祖国を信じながら特殊潜航艇に乗り込み、海に命を散らした青年将校・谷真人と、彼をひたむきに愛した美しい少女・エダの清純な恋物語を中心に、我が道を信じ、忠実かつ正直に進んでいった若者たちの逞しい姿を描いた青春大作。
大正末期、桜島の煙を見て育った谷真人は江田島の海軍兵学校に入学。兵学校の教練は厳しく、真人を別人の如く逞しい男に変える。一方、真人とともに受験したが、乱視のため失格した親友の牟田口は画家としての道を歩むが、その妹のエダは密かに真人に思いを寄せていた。そして第二次欧州大戦が勃発した年、真人は兵学校を卒業して士官候補生として艦に乗り込む。
数ヵ月後、鹿児島湾に寄港した真人にエダは思い切って胸中を打ち明けるが、いつ死ぬか分からぬわが身を考えて真人は苦しむ。そして真珠湾攻撃出発の前夜。呉の下宿ですべてを与えようとするエダに「あなたの面影を抱いて死ねる僕は幸せだ」と告げて真人は太平洋の彼方に去っていった。