1965(昭和40年)/2/13公開 95分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13808
配給:東映 製作:東映
決して眠ることを知らない夜の銀座、そこに働く女たち。この華麗な夜の片隅のバーを舞台に、夜の蝶たちが繰り広げる多彩な人生模様。現代を逞しく明日に生きる彼女たちの姿を描いた女性映画。
夜の銀座八丁目。ここでバー“冬の宿”を経営するマダム・夕子が、宴の後のがらんとした店内に倒れていた。パトロン・田村に借金の返済を迫られての自殺だった。命は取りとめたものの、病院に急行した夕子の娘で大学生の恵美子は、そこで田村に、代理で冬の宿のママになるよう推された。夜の世界への好奇心でこれを受けた恵美子。学生ママ誕生で店は賑わい、恵美に心惹かれたバーテンの筧は、負債を清算し、田村に束縛されない“冬の宿”で恵美の傍で働くことを夢見て、未収金の回収に精を出す。一ヵ月後、慰安旅行で東北に出掛けた一行は、思いがけなく田村と出会う。夕食に招待された恵美はホステス亜紀を送り出した。最初は不機嫌だった田村も、小悪魔的な亜紀の態度にいつしか心惹かれていく。帰京後、夕子のカムバックに賑わう“冬の宿”で、突然筧が恐喝容疑で逮捕された。強硬な未収金回収が災いしてのことだった。筧のことに奔走した後、恵美は夕子と店に向かうが、そこには、真新しい“亜紀”の看板が夜空に浮き出ていた。この世界の厳しさ、侘しさを身を持って知らされた母娘は、“亜紀”を後にする。雑踏の中、二人は店の常客で夕子に好意を抱く川上に呼び止められた。躊躇する母を優しい笑顔で見送った恵美子は、刑務所にいる筧の身の回り品の買い物に、絢爛を競うバーのネオンの洪水をあとにするのであった。