1966(昭和41年)/6/4公開 88分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:14507
配給:東映 製作:東映
真人間になろうとしてなりきれず、暴力でしか解決の道を選べなかった男。泥沼のような世界から這い出そうとして果たせず、傷だらけになって転落していった男。その愚かな青春の姿を梅宮辰夫が熱く演じたドラマ。
海っぺりの埋立地にあるスラム街。やくざの塚田組に牛耳られた住人たちは、安い労賃で働かされ、子供たちは、学校にも行かずぶらぶらしている。新しく診療所に赴任してきた古沢清は、まず住人たちに定職を与える努力を始めた。子供たちに野球を教えると、みんなが熱中した。そんな頃、ガキ大将・岡村滋の兄貴でやくざの健が刑務所から帰ってきた。健は、塚田組のチンピラを殴り飛ばす街の英雄で子供たちのアイドルだ。古沢の尽力で、近所の小学校と野球試合をすることになり、健がコーチを買って出たのだが、小学校から、やくざがコーチのチームと試合は出来ないと断られてしまう。ショックを受けた健は、やくざから足を洗うことを誓うのだった。やがて、住人たちに定職がついた。朝日海運が雇ってくれることになったのだ。だが、人足を朝日海運にとられた塚田組がそれを許すはずはなく、大人しくなった健に何かと因縁をつけてくるようになる。最初は我慢していた健だったが、ある日塚田組のチンピラを殴り飛ばしたことがきっかけとなり、住人たちが朝日海運をクビになってしまった…。