作品検索

作品紹介

決斗の谷 

Valley Showdown

1960(昭和35年)/6/14公開 77分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11747 
配給:東映 製作:東映

金欲に取り付かれた人間ども…贋造紙幣団の一味に巻き込まれた血気盛んな少年が、彼を暖かく見守る兄との美しき兄弟愛によって決然と悪に対決。壮大な雪山を背景に壮絶な死闘を展開するという、全編を息詰まるスリルとサスペンスで描きあげた痛快篇。

決斗の谷 
(C)東映

ストーリー

霧たちこめる深夜の国道をヘッドライトの光芒を残して定期便トラックが突っ走る。梶信吾と相棒の吉松の運転する車である。河北運輸の運転手として働く信吾は、まだ血気盛んな十九才の少年だ。彼はその夜、妖しい魅力を湛えた女を一人、東京まで便乗させたことから、その謝礼として一万円札を手に入れた。思いがけなく転がり込んだ大金に有頂天の信吾は、それが巧妙に造られた贋札であるとも知らず、ガソリンスタンドに勤める可愛い恋人の杏子を誘って派手な買い物を続けた。この二人をそっと尾けてゆくサングラスの女がいた。日高を首領とする贋造紙幣団の一人、亜矢子である。日高らは、密輸団・陳永寿との麻薬取引のため一万円札の贋造に狂奔していたが、印刷職人・銭村の手で漸く完成し、その効果を試さんと亜矢子を使って信吾に贋札をつかませたのである。しかし信吾や靴屋の主人を誤魔化せたこの贋札も信用金庫の行員には簡単に見破られてしまった。より精巧なものを作れという日高に、銭村は自分より腕の良い能代徳三を紹介した。徳三は、信吾の恋人・杏子の父である。彼はかつてガソリンの配給券贋造で服役したことがあったが、今は更生して真面目に働いていた。何とかして徳三を仲間に引き入れようと焦る日高一味は、徳三の娘・杏子に魔の手を伸ばし、遂に彼女に贋の一万円札を握らせてしまった。可愛い娘まで事件に巻き込まれたのを知った徳三は、これ以上杏子や信吾に手を出さないという条件で、贋札造りを承知するのだった。その頃、信吾の勤める河北運輸の社長・河北鉄次もまた贋札造りの一件を知り、一味の本拠を突きとめてあわよくば贋札を巻き上げようと狙っていた。これを承知した日高ら贋造紙幣団の一味は、河北を事前に葬ろうとスパイ松井を放って、河北を乗せた信吾のトラックのブレーキに密かに細工を施すと崖に追突させてしまった。河北と信吾は危うく難を逃れたが、信吾と親しかった相棒の吉松は重傷を負ってしまった。再起するには十万円の手術料がいる。信吾は吉松の貧しい家族たちを想い心を痛めた。そんな信吾を松井はボロ儲けの仕事があると日高らのところへ誘うが…。

決斗の谷 
(C)東映
ページの先頭へもどる
一般社団法人 日本映画製作者連盟・会員(4社)