御存知天狗が、吉兵衛、杉作と共に雲低迷する江戸に乗り込み旗本八万機と対決、町衆征伐の軍資金をロシアから借用せんとする売国奴の陰謀と暗殺剣をめぐって活躍、鞍馬天狗空前の危機に陥るという痛快編。
今は亡き劇作家真山青果の股旅作品「荒川の佐吉」より、鈴木兵吾と永江勇が共同脚色し、堀内真直が監督している。出演者は高田浩吉、安部徹、喜多川千鶴、宮城野由美子、澤村國太郎など。
「泣き虫記者」に次ぐ新聞記者シリーズ第二弾。清新な演技陣を得て、一人の新聞記者が育ちゆく過程を愛情をこめて描いた佳作。全篇を包む涙と笑いの中に鋭い諷刺を覗かせた美しい作品。
製作は小倉浩一郎と高木貢一で村上元三の「読物と講談」連載の原作から、鈴木兵吾が脚色したもの。監督は内出好吉で撮影は石本秀雄が当たっている。出演者は高田浩吉、宮城千賀子、山田五十鈴、高千穂ひづるなど。
泥沼の中に咲いた哀愁の恋をめぐって登場する様々の人物を追いながら爛熟と頽廃のニ世相に喘ぐそれら人間像を一つの江戸市井風俗として描く、時代劇の新生面を拓く良心傑作篇。