並木行夫の原作小説を市川右太衛門主演で映画化。大利根月夜を背景に乱れ唸る長脇差と長脇差、しっとりと濡れる恋のまこと、涙をさそう義理人情の美しさなどが展開する股旅時代劇。
早稲田大学七十年の歴史を通して、日本の学園とそこに学ぶ若人たちの青春を三代に亘って描く劃期的な文芸巨編。学問の殿堂に初めてカメラを据えた東映が、世界に贈る良心大作である。
人間赤裸々の姿を、人の好い侠徒の世界に置いて眺めた大人の童話とも言うべき、諷刺と忍場を彩る東映の異色野心作。登場人物の総てが主人公であり見る者をまごころの世界にひき込む映画の抒情詩。
人間山下泰文の生ける姿を追求しながら、大いなる日本の悲劇を衝く雄渾の大作。「ひめゆりの塔」に次いで各方面より注目を浴びた問題の野心作で、早川雪舟一代の名演技が見る者の心を搏って胸にせまる。
サンデー毎日に連載した村上元三原作の映画化。加賀百万石の犠牲者大槻伝蔵の波瀾なる生涯を、二女性の宿命的な恋に彩って描く、文芸時代劇の白眉。時代劇の新分野を拓いた評判の傑作。