清廉潔白の士・北條貢が、権勢と陰謀の犠牲にたち、無実の罪を負ったまま無明の道を辿り、艱難辛苦の末、遂に正義の勝利を歌い上げるという、市川右太衛門快心の力作。
風雲急を告げる戦国末期、紀伊連山の一峰・大日岳の山中に父親と二人で平和な暮らしを送っている日輪太郎と呼ばれる若者が、ふとした事から野武士・蜂須賀小六の配下となり、正義のために悪者たちを撃ち滅ぼし幾多・・・
大飢饉、苛酷な年貢米、悪虐非道の盗賊団に脅える上州の一寒村にあらわれた名無しの旅鴉が、国定忠治にそっくりだったばかりに義侠の長脇差を抜く羽目になる、剣入り乱れる痛快股旅活劇。