舞台は京都の祇園と宮川町。金のためなら他人の男でも平気で奪うドライ芸者・君蝶が、四人の男を手玉にとる凄腕ぶりを村山新次監督がねっとりとした描写し、匂うばかりの風俗の中に女の欲望を浮き彫りにしている。
一世を驚倒させた二・二六事件に材を取り、叛乱軍の包囲下から首相官邸に生存する首相を救出しようとする人々の勇気と決断力を凄まじいスリルとサスペンスで描破する野心大作。
名物空っ風の上州一円は未曾有の大飢饉。貧困に喘ぐ民百姓の姿をみて、義に立つは、男一匹・国定忠治。埋蔵金十万両の謎を巡り善悪相争う時に颯爽と登場するは、御存じいれずみ判官・遠山金四郎。片岡千恵蔵が二役・・・
不本意に戦犯を問われた元青年将校が、生きることに意義を見つけ、愛妻と共に官憲から逃れて潜行生活に入る。物語は美しくも悲運な妻にスポットをあてて描かれ、愛することの美しさ、強さを感動的に謳っている。
男まさりの江戸っ子寿司屋、「寿司正」の看板娘ひばりちゃんは、喧嘩にゃ強いが情にゃ弱い。初めて知った恋の味に笑と涙が入りまじり、唄にのせて展開する恋愛合戦。
痴漢の烙印を押されてからグレた自動車修理工が県警捜査主任の妹を誘拐した…。鬼刑事の異名をとる兄は、警察の機動力をフルに動かして妹の救出に努める。港町・横浜を舞台にスピードとスリルが全篇にみなぎる爽快・・・