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Rice

1957(昭和32年)/3/4公開 118分 カラー スタンダード 映倫番号:10018 
配給:東映 製作:東映

名匠・今井正が初めて贈る総天然色作品。美しい霞ヶ浦湖畔の田園の内に、貧農の生活の苦闘と若人の至純の恋を描く詩情豊かな叙情大作。

米
(C)東映

ストーリー

田植えも終り鎮守の境内は祭礼で賑わっていた。祭の夜ともなれば、若者たちは対岸の村に押しかけて娘たちを冷やかして楽しんでいた。農事に手の空いた五反百姓の次男坊・次男も自衛隊帰りの仙吉らと娘たちをからかうが、薄暗い農家で黙々と仕事をする千代の純真な姿を目にし、淡い恋心を抱く。農作業に精が出ない次男は、兄妹の冷たい視線に耐えかね、漁獲にかけては玄人の作造と“はえ縄”を張って、引っ掛かった大鰻をめぐって千代の母・よねと口論になる。仕事もせずブラブラしていた仙吉も、親方に頼んで船を借り、次男を誘ってワカサギ獲りの帆曵きを始めた。霞ヶ浦に美しく夕陽が沈む頃、無鉄砲な仙吉は対岸の漁場に侵入しては密猟を繰り返す。密猟で荒らされる対岸の漁場は逆杭を打って違反漁獲を取り締った。やがて秋祭りが訪れて、よねは禁止された“さし網漁”をやって監視船に見つかり没収される。しかし違反漁獲は絶えず、とうとう仙吉は逆杭に引っ掛かって死亡し、次男も危ないところを千代に救われた。そんな時に地主の松之助はよねの“さし網事件”につけ込んで貸地を取上げようと病身の亭主竹造に迫り、よねに一万円もあればと話を持ちかける。田圃を取上げられる不安、さし網事件、その日暮しの生活でよねは気も狂いそうになる。これを知った次男は、一万円を千代の弟に渡して立ち去る。雨の日、警察へ出向いたよねは罪の怖さに耐え切れず、薄暮の湖岸で生命を絶つ。晩秋の空に豊年太鼓が流れる頃、よねの棺を見送る次男は千代と熱い眼差しをからませながら高い青空を見上げる…。

米
(C)東映
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